バングラデシュ小学校理数科教育強化プロジェクト

背景

独立行政法人国際協力機構(JICA)による小学校理数科教育強化活動は、南西アジアの国々におけるこの分野で初めての取り組みである。

1990年の「万人のための教育(EFA)」宣言を受けて、バングラデシュに置いてもすべての児童が初等教育を受けられるように様々な努力がなされてきた。その成果として初等教育の粗就学率が1990年の70%弱から2000年には100%近くにまで達した事は注目に値する。ところが、就学率向上によって新たな量的改善以外の問題がクローズアップされてきている。それは、小学校での授業に置いて、質の高い教材の不足や、教授ー学習活動がおろそかになっているということである。つまり、学校現場における教育の質を改善する必要性がより明確になってきた。

現在、各国支援のもと、バングラデュで実施されている第二次初等教育開発プログラム(PEDP-2)では、教育の質的向上により重点が置かれている。JICA 活動はそのプログラムの一端を担い、初等教育における理数科教員研修制度内容の質的な改善、教員カリキュラム改善と教育パッケージの開発に関する技術協力を行う。

教育開発において、教員の能力向上に貢献する意義は極めて大きい。教員研修制度の構築に加えて、得意技ともいえる日本の教育実践 ー授業研究ー を組み合わせることにより効果を高めたい。

プロジェクトの目標

広島大学が主担当する業務内容

広島大学大学院国際協力研究科において、実践的授業方法の指導及び教材開発を行い、バングラデシュの教育現場に広げる

小学校児童を取り巻く環境は文化性に富んでおり、それを積極的に活用したい。また、真の意味での教育協力では、ドナーとして外部から一方的にアプローチするのではなく、バングラデシュの文化と自助努力を尊重するなかで、バングラデシュ人指導者・教員とともに考え、そしてバングラデシュの文化の持つ潜在性を十分に生かしながら、プロジェクトを根付かせていくことが大切である。それと同時に、我々日本の教育ノウハウや教育経験についても、技術協力のなかで単に使われるだけではなく、国境を越えた実践の場という鏡に照らして、課題を見つけ、発展させていく糧とすることが、より生産的で双方向性を持つ国際協力として、我々が目指すべきところである。

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